理系のためのサバイバル英語入門―勝ち抜くための科学英語上達法 (ブルーバックス)

理系のためのサバイバル英語入門―勝ち抜くための科学英語上達法 (ブルーバックス)


私が、大変勉強させていただいているブログで紹介されていてとても気になる
本でした。
最近、時間ができたので、ようやく一通り、読むことができました。
いや、本当に感動の1冊です。
こんなに、爽快な気分になったのはひさしぶりです。
本書の序文から

1995年4月13日木曜日の午後6時 東大駒場キャンパスはすでに通常の講義を終えていました。ひっそりとしたキャンパスにサークル活動の音がときおり響き渡ります。発声練習をしているのは演劇部でしょうか。私たちの「サバイバル英語」ゼミが指定した教室に向かいます。何人ぐらい集まるかと心配しながらも、ワクワクして歩く。なんとも、表現しにくい時間です。
近づくと、その教室だけがざわめいているではありませんか、。教室の入り口から教室内へはいれない学生があふれています。そこをようやく押しのけて教室に入りました。壁に寄りかかっている「立ち見」の学生から、長机と長机の間の通路に座り込んでいる「座り身」の学生までいます。こわい顔をしている学生も、ニコニコしている学生もいます。全部で411人いました。

僕が入学する2年前か。
そんなに前だったのか、驚き。
大げさにいえば、この講義が駒場で行われたのは、一つの「歴史的事件」といってもいいのでは
ないかと思う。
いや、そうだったんだ。
僕は、よその大学で合唱サークルの練習に通っていた。
もちろん、入学する時間が違うわけだから、この序文を書かれた人が、キャンパスにいる
時、僕は鹿児島にいたわけだけど。
「発声練習」と聞いて、このエントリーを書いている最中、何かが、壊れそうになった。


Leo's Chronicle: 理系のためのサバイバル英語入門

一番驚いたのが、昔読んだときと今読んだときとで印象がまったく異なっていること。この本の内容を十分に咀嚼するには、読む側にもレベルアップが必要なようです。

本書のいたるところに、研究の面白みや、独創的な研究をしていくためのエッセンスがちりばめられています。タイトルを「英語入門」とするには惜しい内容で、「科学への入門」「研究者入門」と呼ぶ方がふさわしいです。そこに気付かずに、理系英語の入門書としてだけとらえると相当にもったいない。けれども、読む側としても「科学」や「研究者」の世界に一歩足を踏み入れてないと、大学入学当初の僕のように、この本に書かれた大切なメッセージを受け取り損ねてしまいます。

「英語入門」が、そのまま「科学入門」になるという事実は、これから大学に入って学ぶ人間には
絶対に、頭に叩き込んでおくべきことなのだろうと思う。
日本列島に住んでいるのにこの事実を念頭に置くのはしんどいことでしょうが。
本物は、いつだって、海の向こうとのコンタクトの中からしか生まれやしない。

そして、このゼミをうけている学生の中に、切実な状況の学生さんがどれだけいたかは
知らないが、英語のスキルというものが、そのまま金勘定の世界で大事になってくる
時間がもうまもなくやってくる。

On Off and Beyond: シリコンバレーで働いて最もメリットある日本人の職種

ただし、文系大学卒の人は厳しい。ソフトウェアに関係ある専攻の大学を4年修了しているのが就業ビザが出るほぼ最低条件。できれば、大学院まで行っている、というのが基本なので。プログラマ暦3年で、大学1年分に換算してくれるので、12年経験があれば、一応大卒とみなされますが、ひじょーに厳しい門です。
そういう人は、このビザの裏道を探すのも乙なものですが、それより、さくさくとそれ系のアメリカの大学院に行くのが一番手っ取り早いと思います。
いや、しかし、アメリカでもほんの4−5年前まで「プログラムを書く仕事なんてどんどん安いオフショアに行ってしまうから将来性はない」と、大学のコンピュータサイエンス系の学科の人気ががっくり落ちていたわけです。あれはなんだったんでしょうか。

第1部 はじめるサバイバル英語 11

第1章 3Cが何より大事
第2章 動詞が文を引き締める
第3章 仮想体験「よろこびとかなしみの論文投稿」
コラム「読めないんだな これが」教室 算数

講義担当 斉藤 恭一

まず、英語力の基本となるボキャブラリーと、究極の英作文である論文の作成と
その投稿マナーについて扱っています。
最近は、ブログが百花繚乱の状態です。書いたものを公にして、衆目の評価を待つという
ことをもっとも洗練された形で、営んできたのは「大学」なのではないかと思います。
自然科学者が、自分の業績を世間にアピールするためのツールである「論文」の書き方に
ついての勉強はそのまま、洗練された「ブログ」エントリーの書き方の修練になると思います。

ポイントは、「受験英語の語彙力は主に、人文学系列に偏っているということ。理工系で大学に入学する人たちは、心して、自然科学の論文が読めるようになるための英単語の勉強をしましょう」
ということです。

研究成果を世界中に知らせるのもわたしたちの重要な仕事です。研究論文として発表しなければ価値がでません。専門雑誌に投稿して、その道の達人の意見や批評をもらってさらにすばらしい課題が見つかることもあります。同じことが企業で製品を開発した場合にもあてはまります。宣伝をしなくては売れません。市場に出して、利用者の反響や苦情をもらってさらにすばらしい製品ができていきます。

第2部 書くサバイバル英語

第1章 科学の分野で英語を使うための心構え
第2章 英語で論文を書けるようになるための3つのトレーニング
第3章 英語を書くときの7つの注意点
第4章 英文間違い探し40選
第5章 永久保存版「論文を書くための論文」

コラム「読めないんだな これが」教室 数学の巻

ブログのエントリーをある程度、まとまった数書いていくと「書き方」というものに
ついてのこだわりが出てきます。
この講義ではまさに、その「書き方」についての方法論をズバリ直球で扱っています。
ただの自己満足の「雑文」では満足できない人だっているでしょう。
誰かに、明確な主張をもち、評価されて、自分が書いたものを通じて、自分のキャリアを切り開いて
いきたい人もいるでしょう。
だったら、どういうステップを踏む必要があるのかということが書いてあります。

第3部 話すサバイバル英語

第1章 表現を正確そして簡潔にしよう
第2章 生き残るための5つの秘伝
第3章 仲良くするための7つの秘伝
第4章 救われる話と救われない話
第5章 私の研究とサバイバル英語の基礎
コラム「読めないんだな これが」教室化学の巻 

講義担当 小宮山 宏

「学会」を想定した英語による会話についていろいろと書いてあります。

Key Inside Me Outside

10年以上米軍相手に商売をして、英語を耳で覚えた友人と一緒に学会に参加したことがあります。彼がホテルの部屋にかぎを置いてドアをLockしてしまったとき、Frontでいった名言がこれです。

第4部 楽しむサバイバル英語

第1章 英単語と楽しくつきあう
第2章 カタカナ英語を楽しく解析しよう
第3章 外来語パズルに挑戦しよう
第4章 クロスワードに挑戦しよう

コラム「読めないんだな これが」教室 物理の巻

講義担当 千輪眞
英単語をクロスワードパズルで覚えましょうというものです。

第5部 独創的に生きるための英語
第1章 独創的研究で成功するには
第2章 研究もハードからソフトの時代に
第3章 英語らしい英語を
第4章 英和と和英を捨てよう
第5章 3種の英語辞書の使い方
第6章 毎日2時間づつ英語を読む
第7章 論文の読み方 、書き方
第8章 えらくなったセンセイを乗り越える
第9章 ライバルとの緊張関係
第10章 研究する人間として1番大事な態度

講義担当 小宮山宏

英語の勉強の仕方、特にリファレンスの使い方についてのユニークかつ情熱な指導が
掲載されております。
ここが一番面白かったかな。
自分が本当に駒場のキャンパスにもどったようなそんな気持ちになります。

182P

語源を知ることは、複雑な単語をマスターし、語彙をふやすのに非常に強力な武器となる。東大合格には語彙は8000あれば十分といわれる。しかしTOEFLで620点取るには最低2万は必要といわれる。この差の1万2000は複雑な単語で、しかもまれにしか出会わない単語だから語源をつかないと丸暗記は容易ではない。

207P

もうこのときシャルガフの結果がうわさとしてケンブリッジに流れてきたことがわかる。日本で第一線の仕事をするのが不利な一つの理由は、欧米から論文になる前の結果がうわさとして流れてこないことである。彼らは電話でどんどん知らせあう。
 もう一つ欧米で研究しやすいのは、人の往来がさかんでえらい人と直接に話しをするチャンスが多いことである。クリックがこんなことを考え始めたときにも、突然アメリカからシャルガフがやってきた。

The Double Helix: A Personal Account of the Discovery of the Structure of DNA

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