価格競争か〜 - hotmiyacchiの休日

果てしてゲーム業界の明日は?みたいな話も商売柄、知人とよく交わしますが、常に思うのは、やっぱし1960年、70年のハリウッド映画業界の大再編の波のこと。

この話はしょっちゅーしてるので、またかよってところもありますが、簡単に言えばテレビの普及前「映像を見たければ劇場に行くしかない。ニュースだろうかドラマだろうが、映像は劇場が独占していた」ので、映画館は世界の町という町にごろごろあった。映画会社もどんどん人を増やして偉いペースで大作を量産。まさに映画は時代の華!

↑の時代はテレビが始まってから「ただで家で見れるのに劇場なんか行って、3時間も座ってられないって(当時の映画は大作嗜好で長いのおおい)」ってことで、映画会社はばんばん潰れて、効率化も進んで、映画製作会社と配給会社の分離も進んで、制作会社は劇場映画、テレビ映画、テレビ用ドキュメンタリーなど幅広くやるようになってコンテンツを効率よく世界配信できるようにローカライズの手順や、宣伝のツアーなどもどんどん進歩して、1970年から30年くらいかけて今の形に再興してきた、とか。

テレビはテレビで、「ただで配信するのに映画並のことやってられっかー!」ってところから、再放送や海外へのコンテンツ輸出やDVD化とかタイアップとかいろいろ進んで予算も増えてクオリティも上がってって、これまた偉い勢いでクオリティが高まってきてる、っと。

映画とテレビは40年くらい前に「家でただで面白いテレビショー見れるのに、わざわざ出かけて映画みないっすよ」というショックの中で↑の用に盛り上がってきたわけで。

米国はネットを高速化するつもりがないらしい(その1)−バックボーンはつらいよ - My Life After MIT Sloan

ところで、バックボーンプロバイダーとは構造的に儲からない産業だ。
先日のMBAの「産業経済学」の授業でやったのだけど、一般論として、次の3つがそろっちゃう産業は儲からない。
・多大の設備投資(Fixed Cost)が必要
・顧客を一人増やすあたりのコスト(Marginal Cost)がゼロに近い
・商品・サービスが差別化できない

商品自体で差別化できないと、価格だけの競争になりがちだ。
その上に、顧客を一人増やすためのコストがゼロに近い、となると
価格を安くしても、少しでも人を増やした方が儲かるので、競争してどんどん安くなっちゃうのだ。
で、最初にかかる、巨大な設備投資を取り返せなくなる。
だから儲からない。

つまり、この産業は、競争原理によって、構造的に儲からなくなる産業なのだ。
(「産業経済学」役に立つじゃん)