タイガー・ジェット・シンというのは、僕が子どものころに活躍した悪役レスラーです。トレード・マークは頭に巻いたターバンとサーベルで、会場に現れるなり、いきなりサーベルを振り下ろし暴れ出します。レフリーの紹介を待たずに、対戦相手に襲いかかるわけです。予告なしの乱闘によって、場内は大いに盛り上がります。

今、ビジネスの世界で求められている手法はこれなんです。天気の話など、仕事とは関係ない話をダラダラしてから本題に入るのは、もう古い。いきなり核心をついていかないと、これだけのスピード社会、流動化の時代に、チャンスをつかむことはできないんです。自分の中に起きたバブルを一瞬のうちにすばやく察知し、行動に移していかないとダメだということですね。

私も『プロフェッショナル 仕事の流儀』のキャスターの話をもらったときはそうでした。もちろんキャスターの経験なんかありませんよ。でも、プロデューサーから話をもらって、2秒で決めました。直感です。

程度問題なんだろうね。
きっと。

「天気の話など、仕事とは関係ない話をダラダラしてから本題に入る」

プラスもあれば、マイナスになる。

なんとなく、読んでいて、危なっかしい。

そういう考え方は、時代遅れなんだろうか。


会場に現れるなり、いきなりサーベルを振り下ろし暴れ出します。レフリーの紹介を待たずに、対戦相手に襲いかかるわけです。予告なしの乱闘によって、場内は大いに盛り上がります。

こういう人間と、深く、長く付き合いたいと思うのだろうか・・・・。

全共闘の論理が、「ちょっと怪しげな自然科学」という装いをもって、復活しているように思う。