高校数学でわかるマクスウェル方程式―電磁気を学びたい人、学びはじめた人へ (ブルーバックス)

高校数学でわかるマクスウェル方程式―電磁気を学びたい人、学びはじめた人へ (ブルーバックス)

前のエントリーで紹介した、「デンキモノ」よりオススメかな。
受験物理に立ち向かっていくために、役に立つかどうかという観点で
読んでいるので。

特に「高校数学・・・」は、数式をきっちり使っているのがよい。
「わかりやすさ」を追求するために、数式を書かないことをウリにする
のが、この手の本は多い。
でも、それが、結局、始末のわるい「わかりにくさ」につながることのほうが
経験上多い。

物理もののテキストで数式が出るときのスジの悪さは、
数式がたくさん出てくることではなく、
数式の使い方が、数学のテキストに比較して、荒っぽいことではないかと
思う。

例えば、
公式a
公式b
公式c
という三つの式を使う、論証があったとして。

公式cが登場したところで、
公式bを公式aに代入して、出来上がった式を、さらに公式cに代入するという
プロセスを経過して、

公式dというものにたどりつくとする。

そうであるなら、いまいったステップを丁寧に書いてくれればいいのに、
公式cが登場してから、いきなり「以上より〜」
と出てきて、公式dが登場したりする。

世の中の物理嫌い(私もそうでした。)を大量に生産する要因には
そういうものがあるように思った。
これも、実際に、教えてみて、気がつくことだけど。

たしかに、初歩の初歩ではあるけど、
電気の話をしている以上、
F=ma
距離は、加速度×移動時間の2乗×0.5
とかを、確認なしに、論証に使ったりするのをやめてほしい。

公式のリストを、別冊にまとめて、常に参照できるようにすれば、
かなり、事態は改善されると思うけど。